脳研究に期待する
立花 隆
本日、多数の脳研究を専門とする先生方の前で、私のようなものが脳について語ることは気恥ずかしい感じがします。いま外山先生から紹介していただきましたように、私はいま『科学朝日』で「脳研究最前線を歩く」という連載ルポを書いています。その第1回に、理化学研究所の伊藤正男先生からいろいろお話を伺いました。そのとき先生は、日本の脳研究と海外の脳研究の間にある落差をたいへん強調しておられました。日本の脳研究はこのままではどうなるのだという強い危機意識をおもちで、その振興を図るためにも本シンポジウムのような場を設けてぜひともアピールしていきたいとおっしゃっていました。 |