開催趣旨

日本の植物科学研究は、広く文科省関係機関、農水省関係機関、経産省関係機関で実施されています。15年ほど前まではそれぞれの機関が個々に独立して研究が実施されていました。しかし21世紀に入り省庁間の壁を乗り越え、研究者間では十分な情報交換を行うことの重要性が認識され、大学、理研、生物研、産総研の研究者が一堂に介して毎年12月初旬に植物科学シンポジウムを開催してきました。このような活動を通して各種の連携も具体的に進むようになってきました。また、研究者のみならず各省庁の関係するご担当部課にもご参加頂き、研究現場と政策立案企画担当課間の情報交換も行っています。このような連携活動の結果、この10年間、日本の植物科学研究は国際的にも大きく躍進してきています。

一方で、基礎科学研究の成果を社会的課題に繋げていく研究の重要性も指摘されています。20世紀はまさに科学技術が牽引してきました。しかし、資源、環境、食料などに強く関わっている植物科学研究は、未だにテクノロジーとしての成果を多くは発信できていません。近年の分子生物学研究手法の発展で我々が多くのテクノロジーシーズを手にしつつある現在、植物科学が発信する資源、環境、食料などの確保と保全に向けた研究をさらに充実させ、長きにわたって持続可能な地球と社会の構築に貢献していきたいものです。

第一セッションで基礎から応用にわたる植物科学の次世代を担う若手研究者による最先端研究の成果を、第二セッションではまさに世界の第一線で活躍中の研究者が目指す社会からの要請に応える研究の成果に関する講演です。第三セッションではこれらの研究を支える各省の研究担当部局からの現状と今後の展開に関する発表です。これらのセッションを受けて第四セッションでは、持続的食糧生産、再生可能な資源とエネルギーの確保及び環境保全への植物科学の貢献について各方面から議論を深めます。

ご期待ください。


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