ニューロコンピュータへの展望
三菱電機半導体基礎研究所 久間 和生
21世紀は脳の世紀といわれていますが、10年ほど前からブームになっているニューロコンピュータは、単なるブームではなく、産業界でもある程度、利用価値がでてきています。そこで本講演では、さらに飛躍するためにどのような方向にハードウエアをもっていけばよいかという点を紹介することにします。 ニューロチップの現状 少し工学的になりすぎるかもしれませんが、ニューラルネットワークを研究・開発するにあたって、私どもは次のように考えています(図一)。実用化していくためには、ニューラルネットワークのソフトウエア技術、すなわち理論モデルをつくる必要があります。と同時に、シリコンや光を使ったハードウエア技術を開発し、それらを組み合わせて実世界で利用するための応用技術を開発することが重要です。もちろん、より基盤的な部分では生物から学ぶ知見が必要で、それらの分野とのコミュニケーションもしっかりもつとともに、どういう情報処理に使っていくかというマーケッテイングも遂行していこうと常日頃心がけています。 |