宇宙究極の謎− 暗黒物質、暗黒エネルギー、暗黒時代 −

林正彦先生の講演に関する質問


Q1:
すばる望遠鏡での地球型系外惑星の直接観測の計画はありますでしょうか? そのスケジュールは具体的にいつ頃ですか?(今回のシンポジウムのテーマから少々それますが、お願いします)

A1:
現在の地上望遠鏡で地球型惑星を直接撮影することは非常に難しいと考えられており、その実現には専用の宇宙望遠鏡や次世代の30メートル級望遠鏡による観測が不可欠です。これらの望遠鏡の実現には、あと10年くらいはかかる見込みです。すばる望遠鏡では、そのような将来の地球型惑星検出で核心となる技術をNASAと共同で開発しており、それをすばる望遠鏡に搭載して地上で到達可能な限界に挑戦したいと思っています。この技術に関する情報は、英語になってしまいますが、NASAのホームページで見ることができます。地球型惑星を直接検出する前に、それよりはるかに明るい木星型惑星を直接検出することから始めねばなりません。すばる望遠鏡は、これまでに「コロナグラフ」という特殊なカメラを用いて、木星型惑星の検出を試みてきており、木星の40倍の重さの伴星(褐色矮星)を撮影することに成功しています(http://www.naoj.org/Pressrelease/2005/02/24/j_index.html)。現在、さらに高性能のコロナグラフが稼働し始めており、今後3年ほどかけて木星型惑星の直接検出に再挑戦する予定です。