プログラム

10:20〜10:30
主催者挨拶
田辺 征夫(奈良文化財研究所長)
10:35〜11:15
「くれないはうつろうものぞ」
深澤 芳樹(奈良文化財研究所都城発掘調査部長)
藤原宮朱雀門の近くで出土した木簡から話を始め、大伴家持の万葉歌に及ぶ。是非とも古代の製法で染色した布を見ていただきながら、お聞きいただきたい。
11:20〜12:00
「銅鐸−花器として生きる−」
難波 洋三(奈良文化財研究所企画調整部長)
弥生時代の青銅製祭器のうち、銅鐸には、出土後に花生けなどに転用されたものが40箇以上もある。その文化史的背景について話してみたい。
12:00〜12:50
昼休憩
12:50〜13:30
「古代人の肉食の忌避という虚構」
松井 章(奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長)
奈良時代は、鎮護国家思想から殺生肉食を忌避したと考えられてきたが、遺跡から出土する牛馬をはじめとする動物骨は、ほとんどが解体され食用になったことが明らかである。動物に関する文字の記録と実際の発掘で確かめることのできる事実との齟齬を検討し、その理由を考えてみたい。
13:35〜14:15
「日本庭園のはじまり」
小野 健吉(奈良文化財研究所文化遺産部長)
発掘調査成果によれば、奈良時代庭園のデザインは、飛鳥時代庭園のそれとは大きく異なり、かつ以後の日本庭園デザインへの連続性を持つ。このことから、奈良時代庭園を「日本庭園のはじまり」と捉える。
14:15〜14:30
休憩
14:30〜15:10
「古代遷都の真実
−飛鳥宮・藤原京・平城京の謎を解き明かす−」
井上 和人(奈良文化財研究所副所長)
遷都1300年を迎えた平城京をはじめとする日本古代都城の歴史的意味を、この半世紀に及ぶ発掘調査研究の成果をふまえて再考した結果、これまで知られていなかった新たな理解に到達するに至った。飛鳥から藤原京、平城京に至る生々しい都城の歴史の軌跡をお伝えしたい。
15:15〜15:55
特別講演「古代史研究と奈良文化財研究所」
佐藤 信(東京大学教授)
日本古代史の研究は、発掘調査による出土文字資料の増加などに伴い、飛躍的に進展しつつある。その中で重要な役割を担っているのが奈良文化財研究所である。奈文研は古代史研究にとどまらず、文化財、文化遺産全般について活発な調査・研究活動を展開しており、多くの成果を積み重ねている。その成果と、さらに今後果してほしい課題について、日頃の私の思いを述べてみたい。
15:55〜16:00
閉会挨拶
※プログラムは都合により一部変更となる場合がございます。