宇宙究極の謎− 暗黒物質、暗黒エネルギー、暗黒時代 −

吉田直紀先生の講演に関する質問


Q1:
シミュレーションの規模を示す数字のお話がありましたが、シミュレーションの最小単位は物理/空間的には何に対応されているのでしょうか?

A1:
暗黒物質を含めた物質の塊に相当します。シミュレーションの規模が大きいほどこの塊が小さいことに相当し、より詳しい構造まで解明できます。

Q2:
今日の話題にはあがっていませんでしたが、ブラックホールとは何か知りたいです。

A2:
アインシュタインの重力方程式から得られる時空の特異点のことで、質量の大きな星がその進化の最後に超新星爆発を起こし、その中心部がブラックホールになると考えられています。
杉山先生による回答はこちら

Q3:
初期の星の形成へのダークマターの寄与と現在の星の形成へのダークマターの寄与とは同じと見ることができるのでしょうか。

A3:
初期宇宙の星形成ではダークマターは不可欠ですが、現在の星形成、たとえば天の川銀河の中での星形成にはダークマターはほとんど影響しないと考えられています。

Q4:
銀河、星は何故、空間に浮いた状態にあるのでしょうか?もしくはその存在に決められた位置があるのか?

A4:
それぞれが固有の速度を持って運動しています。

Q5:
暗黒物質が初期恒星形成に強く関わっているとのお話から気になったのですが、重力以外に相互作用に乏しい暗黒物質は(1)核融合に寄与しないのか?、(2)現在の恒星と重なる様にして大質量塊となっていないのか?つまり、ex)太陽が実は5倍の質量を持っていないのはなぜか?質量/引力のみの相互作用で考えれば、太陽そのものに落ち込み質量を存在比倍しそうに思えます。

A5:
暗黒物質は、はじめにガスを集める段階では非常に重要ですが、ガス雲の進化のある時点以降ではガス自身の重力の方が卓越し、最終的に形成される原始星や星には暗黒物質はほとんど付随しません。太陽にも暗黒物質はほとんど付随していないと考えられています。