大会長挨拶
ご挨拶
この度、第79回日本人類学会大会を山口県下関市で開催することになりました。
今回の大会長を務めさせていただくことになりました土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムの松下でございます。
大会は2025年10月11日(土)、12日(日)、13日(月・祝日)の3日間を予定しています。会場は「海峡メッセ下関」で、対面で開催する予定で準備を進めています。山口県での開催ははじめてとなりますが、海峡の街下関、土井ヶ浜遺跡が存在する下関で、会員の皆様方をお迎えできることを楽しみにしております。
私は、シンポジウム「骨からみた日本人の起源」が開催された1980年の第34回日本人類学会・日本民族学会連合大会(大会長 内藤芳篤教授)の担当校で、大会開催の準備と運営に携わりました。このシンポジウムでは骨の形態のみの討論でしたが、この30年、DNA解析が長足の進歩をとげ、人骨を多様な分析方法で読み解くことができるようになり、日本列島人の多様性が次第に明らかになりつつあります。
しかし、日本列島人の起源や現代人の成り立ちは、人骨形態やDNAなど遺伝学的解析、理化学的分析だけではなく考古学、歴史学などの研究成果を総合的に検討、議論してはじめてその実態に迫ることができると、私は考えています。
今回は、そのような視点から公開シンポジウム(古人骨から何がわかるか=東アジアの中で弥生人と古墳人の多様性を考える=)を企画しました。本大会が、日本列島人の多様性について、より詳細に、より多面的に、より総合的に研究を進めていくための学術集会(大会)になることを期待しています。
2025年4月14日
第79回日本人類学会大会
大会長 松下 孝幸