トップ > 大会長挨拶

大会長挨拶

第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会の大会長を務めさせていただきます京都大学の中務真人です。若い方はご存じないかもしれませんが、両学会が連合大会を開催するのはこれが2回目です。初めての連合大会は、石田英實大会長のもと、2001年に京都で開催されました。ですから、21年ぶりに再び京都で第2回連合大会が開催されることになります。

連合大会にはお祭りのような賑やかさがあります。新型コロナの流行により、どちらの学会も2年続けてオンライン大会を余儀なくされました。研究会や出張の機会もとんと減ってしまいました。久しぶりに懐かしい顔に会い賑やかに学会を開催することができれば、本当に楽しい事と思います。会場を京都の街中に決めた理由の一つはそれでもあります。しかし、連合大会を参加人数が多いだけの大会、2つの学会が同じ場所で集会を開くだけの大会にはしたくはないと大会実行委員会は考えています。2つの学会の会員が新しい交流を体験し研究の刺激を取り入れ、共同研究のきっかけにもなるような大会を実現したいと考えています。そして、連合大会をまた開きたいと思っていただける事を目指しています。昨今、中小学会の多くは会員数、とくに若手研究者の減少、就職機会や研究資金の確保など、困難な問題に直面しています。こうした課題に向き合うには、研究分野が近い学会が互いに協力することが欠かせません。連合大会はそのための扉だと私は考えています。今回の大会が、20年という長い間隔ではなく、数年程の短い間隔で連合大会を継続開催するきっかけになることを心から願っています。

こうした考えから、本大会では例年と異なったプログラム編成を行います。なじみの薄い研究分野の発表にも触れる機会を増やすため、口頭発表会場は2つにしました。若手口頭発表セッションには全ての参加者が集まれるようにします。また、一般シンポジウム企画は、両学会の会員が共同で企画したものを優先的に採択するつもりです。参加者が増え発表数が増える一方、会場を増やさないことから、会期は3日半と長くなります。加えて、発表型式についてご希望に添えない場合があるかもしれません。ご不便、違和感を感じられるかもしれませんが、連合大会の趣旨をご理解いただき、ご寛容ください。本大会では、若い世代に向けた活動も積極的に行います。人類学会関連5学会が輪番で担当しているシンポジウムは、今回、日本霊長類学会の担当です。今年のシンポジウムは、社会人ではなく、高校生と大学1、2回生を対象として『〇〇なヒト―ヒトの呼称も人それぞれ』というテーマで、ヒトの特質について複眼的な視点から話題を提供します。また、高校生対象のコロキアムなどアウトリーチ活動も企画しています。

会場は、四条烏丸にある京都産業会館です。繁華街にあるという理由だけではなく、300数十人を収容でき、その数に見合う口演会場が2室用意できる、会場を分散させない、新型コロナ対応措置により万が一使用人数制限がかかっても開催できるという条件で選びました。四条烏丸は京都の街のまさに中心です。地下鉄・私鉄の駅直結でJR京都駅からも近く、交通の便にたいへんすぐれた場所です。開催者としては、大会会場にできるだけ長く留まっていただきたいと考えますが、少し歩くだけで錦市場、博物館、新京極、祇園など、観光の面でも十分楽しんでいただけると思います。また、施設内にもカフェ、レストラン、バーなど多数の飲食店があります。4日にわたる長い会期になりますが、是非とも、多くの皆様に参加いただき、3年ぶりになる対面学会を満喫していただきたいと考えます。悪評立つ京都のホテル事情は、新築施設の開業ラッシュがあったため、新型コロナ流行以前にかなり改善していました。ただし、流行が収束すると、その反動で観光客が以前にまして増える可能性があります。宿泊の予約は遅れないようにして下さい。新型コロナ流行の様子を横目で見ながら、大会情報についてホームページを随時更新していきます。

2022年9月に皆様にお目にかかれることを心待ちにしています。

2022年節分の日
大会長 中務 真人


PAGE TOP